塩瀬帯は手描き友禅の代表的な染め帯です。
絹織物である塩瀬は新潟県の五泉地方が有名な産地です。
生地の織り方の特徴は経(たて)糸を密にして、
太い緯(よこ)糸を打ち込み、
表面に横畝(よこうね)が現れた生地です。
織り上がった白生地は精練し、
その後、友禅染めにて柄を描きます。
生地には張りがあり、締め易く、
春・秋・冬の3シーズン締めることが出来る生地です。
(※夏の季節には絽の入った絽塩瀬を使用します。)
主に洒落帯として名古屋帯に仕立てることの多い塩瀬帯ですが、
柄や仕立て方によってはコーディネートも幅広くなります。
カジュアルなお洒落帯にふさわしい柄ならば、
小紋や織りの着物に適しています。
金箔などを使用した格調の高い柄の袋帯仕立てならば、
格のある小紋や色無地の着物、
付け下げ訪問着にも締めることができます。
塩瀬帯は軽くて締めやすいことが特徴ですが、
染帯の種類を多く取り扱う呉服店が少なくなっているため
希少価値が高くなりつつあります。
着物と帯の質感を変えたカジュアルのお洒落を楽しむのならば、
織りの着物には塩瀬帯がおすすめです。
染め帯に視線が行くように心掛けて着物を選ぶ事と、
帯と着物の格とを合わせる事がポイントです。
腰原きもの工房にて駒々塩瀬を使用した染名古屋帯です。
駒々塩瀬は通常の駒塩瀬よりも使用している
生糸の量が多く、とても高級感があります。
ご参考にご覧ください。